シューカツに絶望しているあなたへ

自分は一年前、シューカツに絶望していました。
偏差値50に満たない大学に浪人して入学した僕にとって、シューカツは非常に厳しいものでした。
スペックの低さによって、希望企業の面接まで辿り着けないという現実に悶々とした日々を過ごしていました。


だけれども、一年たった今
一度もエントリーシートを書くことなく、希望した企業6社ほどから入社のお誘いを頂きました。
現在は、その中の一つである株式会社ソーシャルリクルーティングにて先月から勤務しています。
仕事は厳しいけれど、同じビジョンを共有した優秀な仲間と日々切磋琢磨する毎日に充実しています。


それだけでなく、
中国SNSの専門家として
講談社の現代ビジネス中国ビジネスヘッドラインにて連載も持たして頂いています。
先日は、中国情報の最大のサイトであるサーチナにて記事を載せて頂きました。最近は専門誌などの取材を受けるコトや企業に赴いてセミナーの講師をやらせていただくこともしばしばです。
今では、「中国SNS」でgoogle検索をかけると、僕のコンテンツがトップに来るようにまでなりました。


今回は、「シューカツ」に絶望していた僕が、昨年の大震災を機に考えを改め、試行錯誤しながら今に至るまでの一連の出来事を1シューカツを辞めた 2ブログを書き始めた 3勉強会を始めたという流れで、皆さんに共有させていただきます。

別に自慢をしたいわけでも、学歴コンプレックスを晒したいわけでもありません。一年前の自分のように、今の就職活動に何かしらの疑問を覚え、場合によってはひどく苦しみ、何か新しいステップに進みたい学生の方に、少しでも違う視点や前進するきっかけになるヒントを与えられたらなと思います。


さて、
本題に入る前に自分の悲惨な「シューカツ」記をちょこっと紹介させていただきます。

僕の「シューカツ」の軸は「アジアに展開をしている成長企業」でした。
NPOや起業に強い興味はあったけれど、まずはグローバルに急成長する組織に入って自分を磨きたい。そんなありきたりな背景から、企業選びの軸を定めました。

しかしながら、「アジアに展開をしている成長企業」なんていうのは、超優良有望企業です。
そのような企業は、「早慶上智」「TOEIC700」などと言う、シューカツエリート達に応募枠は占拠されてしまい、僕のようなロースペック人材はスタート地点にすら立てないという現実に早々と気づかされました。


理想と現実の狭間で、悶々しながら頭を抱え、気づいたら身動きが取れないといった状況になっていました。去年の2月辺りだったかと思います。

そういえばこの時期、シューカツ費用を貯める為に引越しバイトをしていたのですが、物覚えの悪い僕は、ヤンキーな先輩方によく罵倒されていたのを記憶しています。(笑)

公私共に壮絶絶望な日々を過ごしていました。




1シューカツを辞めた


悶々としながら立ち止まっていた日々に終止符を打ってくれたのは、3月11日の震災です。
あの震災は一瞬にして数え切れないほど多くの人の日常を破壊しました。このことで、自分のありふれた日常がとてつもなく幸運なことを強く気づかされ、自分の環境及び考え方を大幅に変えることを決意することが出来ました。

まずは、シューカツを辞めることにしました。
少なくとも、今までの延長で活動をしている中では新しいことは出来ないと思い、半ば逃げるようにして脱シュウカツを決めました。シューカツが嫌な人は沢山いると思います。辞めたい人も多くいると思います。でもこの場所から出られない人がほとんどではないかと思います。


だけど実際は案外簡単です。1 情報を遮断する。2既存コミュニティから出て行く。 3日本から出て行く。
この3つをすれば抜け出せるかと思います。僕はこれを全部しました。
 まずは、リクナビなどのシュウカツ系のメーリスを全て登録解除もしくはブロックしました。毎日届シュウカツ情報メールは無駄に自分を焦らせます。まずは自分に入ってくる一番の情報源を棄てることが第一歩かと思います。皆が見ているからといって自分が見る必要はないでしょう。まして、シュウカツを辞めるのですから。これをするととたんに身体が軽くなります。

 二つ目に、既存のコミュニティから出て行く事が重要かと思います。シューカツをしていると、シューカツ仲間が増えるものです。シューカツ生の中では、内定は勝ち組でお祈りは負け組みです。知らず知らずのうちにこの競争原理の中に自分の思考が染められてしまっています。バーチャルな情報源だけでなく、リアルなコミュニティから抜け出すことが重要です。僕は、シュウカツ臭の漂う大学に通うのをひとまず辞めましたし、シューカツ関連のセミナーや説明会、勉強会などにいくことも一切やめました。

 最後の手段として、日本から出て行く事をオススメします。日本の外に出ることで、普段の自分を非常に俯瞰的に見ることが出来ます。特にこの当時は、震災直後ということがあり日本全体がドンヨリとして雰囲気でした。このタイミングで国外に出たので、気分的には非常に楽になれましたし、これから日本がどうなるんだろうと、自分の頭で考えることが出来たと思います。ちなみに僕は友達のつてを頼って、4月くらいから中国に一ヶ月くらい滞在していました。ここまでくると、シューカツなんてものは人生の中での無数に存在する選択肢の一つでしかないということに気づかされます。


僕は時には思い切って辞めることは非常に重要だと思っています。
必要は発明の母といいますが、僕の場合は「シューカツ」を頭から追い出すことによって、頭の思考スペースに新しい空間が生まれました。空間を創ることによって、その穴を埋めようと自然と思考が始まりました。自分の頭で自ら考えるというのは非常に面白いものです。限定された選択肢の中から、限定されたプロセスの中で自分の未来を創っていくのではなく、まっさらな状態から自ら自分のこれからを頭の中で創り上げていくのです。これほどエキサイティングなことはありません。
僕は中国に一ヶ月いるなかで、誰にも邪魔されずに今一度自分の未来を考えなおすことが出来たのです。「アジア圏で日本語教師」「中国にてスマートシティ研究家」「一年間東南アジアを放浪」などなど、バカみたいな新しい進路先アイディアがズバズバ出てきました。そして、北京の書店で見つけた中国のソーシャルメディアに関する書籍を発見したことをきっかけに、今の道に進むことを決意することにしました。


為末さん【やめる事のすすめ】について




2ブログを始めた


中国SNSマーケティングの専門家になることを決意したものの、先輩となるロールモデルがいなかったので何をすることが一番の正解かは分からなかったです。そこでとりあえず帰国後、中国SNSに関するブログを書くことにしました。今後需要が出たときに、検索されて上位に指名されることが仕事(就職)につながると思ったからです。後はもう記事を書きまくりました。僕の周りがエントリーシートを書いている中、僕はバカみたいにブログを更新していました。これが僕にとっての就職活動でしたので。まわりと違うことをするのはやはり不安になるものです。ただ、記事を更新するたびにPVが増え、社会人の方からコメントを頂ける様になってきました。それを一つの支えにして記事をアップし続けました。


また、帰国のタイミングでブログの心機一転でタイトルを「For 智民生活」に変更しました。
(ブログ自体は日記として以前からやっていた。)

智民とはソーシャルメディア(情報化)時代の新しい市民のコトであり、情報社会学公文俊平先生の造った造語です。最近だとオタキングこと岡田斗司夫氏が評価型経済社会を提唱していますが、まさにそういった社会をガチで生き抜こうという意気込みもタイトルに込めてみました。
自分の中ではこれは、考え方の結構な大転換でして、いくらお金を稼げるかではなく、いくら(ウェブ上にて)評価を稼げるかに価値の重きを変えるものでした。つまり、企業等からの短期的な評価ではなくウェブ上でのフォロワー数やPV数が社会の中での僕の評価である、という考え方に変えるコトにしたのです。自分の中ではこの思考の転換はとても大きかったと思います。




3勉強会を開催した


僕の大きな転機は、イケダハヤトさんに出会ったコトです。以前からTwitterやブログは拝見していたのですが、実際にあって話を聞きたいと思い、メールで面会をお願いし、お話を聞かせて頂きました。ブログを書きはじめてから一ヶ月半後位の頃です。2時間程お話をさせて頂き、その中で「オフラインでのリアルの関係が非常に大事」といったアドバイスを頂き、勉強会を始めるコトにしました。また、ハヤトさんには肩書きではなく中身(コンテンツ)で僕を見て頂いたコトに今でも強く感謝しています。このタイミング出会わなければ今頃のたれ死んでましたw

ハヤトさんの告知もあり、中国SNS勉強会は意外にも好評で、4ヶ月で10回を越え150人以上の方に来てもらえるようになりました。参加者のほとんどは社会人の方でして、お金を払って参加してくださることもありました。2時間もの間、ビジネスマンの方々にお金を頂いて話し続けるという試みは、当初は非常にきつかったです。しっかりとした資料を作らなければいけませんし、2時間もの間飽きることなく話を聞いていただけるような工夫や配慮もしなけらばならないからです。ただし、ここで得たものは非常に大きかったです。スキル的な成長は勿論なのですが、多くの人との出会いは格別な喜びです。自分と志向性の近い方々とここまで多くお会い出来、つながりをつくり、意見を交換しあうことは今までにないことであり、毎度興奮してしまいました。仲間がどんどん増えていく感覚ですね。当時のレポを以前こちらでまとめています。(情報発信はクセになる


ここらへん(昨年の10月ごろ)から連載や企業からのお誘いがチラホラ出てきました。
企業での社内勉強会の講師をやると、そのまま入社を誘われるようになりました。実際にブログを書くなどの行動を始めてから約半年ぐらいでしょうか。何もない状態から、人に求められ程になれたことにとても嬉しく思いました。ウェブでの情報発信だけでなくやはりりリアルなコミュニケーションが重要だということを感じました。


結局、計6社(ほぼベンチャーではありますが)ほどから声をかけていただきました。どれも自分が当初から希望していた憧れを持っていた企業です。その間、一度もESを書くことはありませんでした。また、それなりのマスに届くようなウェブメディアでの執筆もさせていただけるようになりました。こちらも半年前は、ただ憧れを持って読んでいた媒体でした。空想が現実化していく様は非常に嬉しいものです。(こちらに近況をまとめています。)




既存のレールからちょっとくらい外れても死にはしない。


自分のようなケースが誰にでも当てはまるとは思えません。
自分が機会に恵まれたのは、あくまでもIT業界、ベンチャー界隈だからこそ通じたことだと思いますし、単純に運が非常に良かったからだとも思います。だから自分の事例をお手本に、シューカツ辞めろ、ブログ始めろ、勉強会開催しろとかを特別言いたいわけではありません。そもそも人にモノをいえるような人間でもありませんし。。
だけど、

「今のやり方だけではないよね」

そんなことを、自分のブログを通して読み取ってくれたら嬉しいなと思います。
なんだか若者にとっては厳しすぎる現代とか言われていますが、視点を変えて今の自分に捉われなければ、前進出来るかもしれません。こうでなくてはいけない、という型から少し距離を取ることが、八方塞から自分を救う一歩につながりうるかもしれません。何事もやってみないと分からないものです。さしたるリスクもありませんし。ただあえて言えば、ネットとかアジアとか新しい未開拓なフィールドに身を投げてみるのは、僕らでもまだ結構なチャンスがころがっているのかなぁとか思います。


なんだかあまりまとまりませんでしたが、
絶望しているあなたの役に少しでも立ててたらとても嬉しいです。

自分もようやくスタートラインに発ち始めたばかりです。
是非、一緒に頑張っていきましょう。


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