高速鉄道事故を中国SNSから垣間見る with weibo(中国版twitter)のはじめ方

 23日に中国浙江省・温州(Wenzhou)のShuangyu地区で起きた高速鉄道事故。
中国国内では一体どんな声が上がっているのか。中国SNSで拾った声をいくつか紹介したいと思います。(※あくまでも、僕個人が主観的に選んだ情報であって、中国ネット上の総意ではありません。)
また、最近TV局の報道の中でもちょいちょい出てくるweibo(中国版twitter)のはじめ方、情報収集の仕方も紹介いたします。



人人網(中国版facebook上)から垣間見る



 人人網上でも、この話題は様々なコミュニティにて連日議論が盛り上がっています。僕が見る限り、政府当局への批判ばかりです。自分も先日、上記のような意見をフォロワーの皆に投げかけて見ました。半日で20以上のコメントがついたのでいくつか紹介します。(いつもの何倍もの反応です。そして、多くが日本語で意見してくれました。)

「この国の政府は狂いてるじゃないか、もう、常識はずれほどの馬鹿だと思った」

「私は岡さんの考え方とだいたい同じです。今の中国は国家の建設や国の交通状況、国の防衛などについて、なんでも速くやりたくて、早く先進国になりたいです。だからいろいろの問題があります。それでもこの国のために、一生懸命仕事をしている人が数えきれないほどいますから、中国はいつか今の状況からもっといい国になれると私はずっと信じています」

「やっば海賊版の新幹線はダメだなぁ」

「人民の命を無視する当局は最低。。。」

「日本国民として、この事件はどう思いますか。」

「確かにそうです。日本も中国も、ひどかった。政府は大衆を馬鹿にしないでよ。人民あっての政府だから。政治家の話は一番信用できない。」

                                     (原文のまま表記)


 ほぼ全て政府批判でした。日本人である僕のコミュニティーに集まっている人達なので、いくらもバイアスがかかっているかもしれませんが、他のコミュニティを訪ねても大体こんな感じでした。非常に感情的に政府批判をしているのに関わらず、情報規制により削除がされていないことに驚きです。おそらく相当な規模で批判が吹き出ていて当局も対処でききれないのでしょう。中国のネットユーザーの7割が80年代以降の若者というデータ(「中国新人類・八〇后が日本経済の救世主になる!」(原田曜平+余蓮著、洋泉社)を読んでみた)があります。中国が変わっていくとしたら、やはり若者からなのかもしれません。

詳しくは僕の人人網のページへ→ http://www.renren.com/profile.do?id=368597603
人人網の始め方はこちら→ 人人網(中国版facebook)のはじめ方   日本にいながら中国留学!?



weibo(中国版twitter)から垣間見る



中国語が出来るのであれば、中国の情報収集にはweiboが非常に優れていると思います。ユーザーは3億人に達し(人人網は約1億人)、twitterと同様に検索機能があるからです。


例えば、「温州动车脱轨事故」(温州市鉄道事故)と検索をかけてみます。

最新のつぶやき(最新)、最もコメントされたつぶやき(评论最多)、最もRTされたつぶやき(转发最多)が閲覧できます。
事故への弔いの言葉、悲しみ、政府、鉄道会社への批判など様々です。
そのキーワードでどれだけつぶやかれたのか、どれだけRTされたのか、どれだけコメントされたのか、全部数字で出てきます。


右側にはこの一時間で何がもっともつぶやかれているのかがランキングで出てきます。
「鉄道」に関するつぶやきが、2位の恋人の日である情人节(旧暦の七夕)を大きく引き離して1位ですね。
中国国民の関心の高さが伺えます。

以前、加藤嘉一さんの中国版ツイッター「ウェイボー」が中国を変える…か? にてweibo上には数万人の共産党員が監視していると言う情報がありましたが、これらを見る限りほぼ完全に振り切っているのではないでしょうか。中国当局にとって大変な脅威であることは間違いないですし、温家宝があれほどに慎重に対応した訳も納得できます。



weiboのはじめ方


 興味のある方はマスメディアの報道に偏執せず、是非weiboにて主体的に情報収集するのをお勧めします。お隣の国ですしね。中国語分からなくても、漢字なのでニュアンス理解できたり、google翻訳とか利用すれば雰囲気は理解できます。
 実はweiboは中国IT各社がサービスを出しています。ここでは、最大手のsina weibo(新浪微博)のはじめ方を紹介します。

まずは、HPへ→ http://weibo.com/

右上の「立即注册微博」をポチです


上から順番に「我的邮箱」→Eメール 创建密码→パスワード 昵称→ニックネーム(漢字入力) と入力していって、出来たら一番下の「立即开通」をポチです。


そうすると、上の画面にいくので、へんにいじらずにメールボックスのところに確認に行きましょう。


こんなメールが届いているはず(たまに届くの遅いときもあります)。青字のところをクリック!


もうちょいです。「3・完成,进入我的首页」をポチ


完成で〜す!! 右上の空欄にキーワードを入れれば検索できます!
中国政治情勢、マーケティングリサーチ、友達探し、いろいろ遊んでみてください。アプリもあります〜

自分自身、未だにweiboに慣れてない部分も多々あるので、上手く使いこなせて事例などシェアしていただけると大歓迎です。

ちなみにこれが僕のです→ http://weibo.com/2120759853


共産党≠中国


 以前、政治学を勉強している中国人学生に「共産党っていうのは、あくまでも政党であって中国ではないんだよ」ということを言っていました。異論もあるかと思いますが、自分はなんだかとても示唆的に感じました。なにが言いたいのかというと、あまり中国や中国人のことを嫌いにならないで欲しい。ということです。おそらく、今回のを機に再び中国バッシングが強まると思います。それは無論正当でもあると思いますが、あくまでもその矛先は中国政府や鉄道会社に向けられるのであって、中国や中国人全体に向かうべきではないと僕は考えます。日本政府と東電がドジって汚染水流したからといって、世界中から日本や日本人が嫌われたらいやですよね、ていうかなんか違いますよね。
 マスメディアが示す中国(人)像はあくまでも一面でしかないと思います。実際、人口は13億人も存在し民族や文化も多彩です。政治、経済、軍事面等々において脅威を感じるは確かですが、あまり感情的にならずにソーシャルメディアを通じて隣国の多様な側面に触れてみてはいかがでしょうか。